花子さん、おばあさんになる

人間年齢88歳の老いねこ日記

薄れゆくもの

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 まだおばあさんではないけれど、わたしもそれなりに歳を重ねてきた。最近感じることは、こだわりがずいぶんなくなってきた、ということである。「これでなければ嫌だ」と思っていたことが、「まあ、それでもいいか」という気持ちの変化。ああ、わたしも老境に一歩近づいたかとおもわせる変化である。老いて薄れてゆくもの、執着心や記憶や恥じらい。これらは、のんきに生活していくために段々と薄れていくのかもしれないが、恥じらいがなくなるというはたいへん怖い。

 そんなことをなぜ思ったかというと、本妻花子さんと、愛人トラ子さん、この二匹が時同じくして、脱ぷんに対しての羞恥心をなくしているのを目撃したからである。

 ちょっと前までの花子さんは、脱ぷんする折には、トイレの砂をかき分けかき分け場所をつくり、後には懸命に砂をかけて隠そうとしていた。ところが、この頃では何のアクションもせずにシレッと済ませ、すぐに出てくる。恥じらいは一切ない。お尻の穴チェックもしない。用を足したことをすでに忘れてしまったかのようである。

 一方、トラ子さん。こちらは、いつも駆け寄ってきてあとを付いて来るのだけど、振り返ったら微動だにせずにわたしをにらみつけている。どうしたのかと、見ていると道の真ん中でいきなりの脱ぷん。「え?今?ここで?」済ませた自分のブツを見ることもなく、わたしに駆け寄ってくる。「ちょっと、ちょっと」と、わたしがそばにある草を引き抜き隠す有様。

 ああ、なんとしても羞恥心だけは最後まで薄れないでほしいものである。