花子さん、おばあさんになる

人間年齢100歳の老いねこ日記

ミーコのこと

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 声に出すとミーコだけど、小学生のわたしは作文では「みいこ」と書いている。今も心の中のミーコはやっぱり「みいこ」だ。ひとりっこで鍵っ子のわたしをなぐさめてくれたやさしいおばあさん猫。みいことの思い出が、わたしをハチワレ猫に執着させ、ついには花子という同じ柄の猫と暮らすことになったのだけど、性格は月とスッポン、みいこは実によく出来た猫であった。

 

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 と、思ったら、あら、なんだか人(猫)相がわるい。ははは。鼻のてっぺん黒かったのか。二枚しか残っていない写真のうち、一枚はピンぼけだから、これだけがちゃんと姿がわかる写真。久しぶりに見たけれど、頭の中ではもう少しかわいらしく補正されていたのね。

 実は、みいこは飼い猫ではなかった。小学校を卒業するまで住んでいた借家に、ちょくちょく顔を出していた老いねこで、よその家では違う名前で呼ばれていた。うちのエサが気に入ったのかよく来ていたのだ。 

 学校から帰って玄関の鍵を開けていると、どこからか走ってきてわたしの足にまとわりつき、冬はこたつに入って一緒に母の帰りを待った。夜は一緒に布団に入り、わたしが寝つくとそっと出て行った。近所の悪ガキに耳をひっぱられても、されるがままで大人しい穏やかなおばあさん猫だった。花子もそうなるかと期待したけれど、どうやら花子は花子のままで行くようだ。

 

 

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 ↑これは、お友だちのOさんが「花子さんにソックリだから」とお土産にくれたトランプ。本当だソックリ。ソックリさんは、あちこちにいるのだ。いるのだけれど、みいこと花子がまるで違うように、どの猫も違っていて、どの猫にもクセがある。そのクセが色々で猫はおもしろい。おばあさんのバリエーションも様々です。