花子さん、おばあさんになる

人間年齢100歳の老いねこ日記

復活の日

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 (前回のつづき)

 退院して真っ先に行きたかったのは皮膚科だ。入院前から右の人差し指が赤く炎症を起こしていて、それが悪化していた。指の関節が曲がる病気「へバーデン結節」の初期症状をこじらせてなった。なんだかかっこいい名前だけどうれしくない。

 6月に肩と腕が痛くて近所の整形外科へ行った。五十肩だろうと言われ、指先も痛いと訴えたら「指は別の病気」と言われた。母も同じ症状で指が変形している。体質が同じらしい。わたしはまだ曲がっていないけど、なんとか避けられないものか。ひとまずはこの炎症を治したい。かかりつけの皮膚科はいつも3時間待ちなので、とりあえず近所の泌尿器科兼皮膚科へ行った。

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 すると、「ポスターカラーか?」というような鮮やかな紫色の塗り薬を処方された。「服に付くと色が落ちないから気をつけて」とのこと。なんだか恐ろしい薬だな。帰りにスーパーに寄ったら、おつとめ品コーナーに、熟したあんずが並んでいたので買ってジャムをつくった。おお、上手に出来た。うれしい。日常生活を楽しんでぐっすり寝た。

 翌朝、起きてびっくり。顔が赤くむくんでいる。

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そればかりか、よく見たら身体に赤い発疹が...

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 あの紫の薬の呪い?まさかね。

しかし、参ったなー。かかりつけの皮膚科は休診日だし...

手術した病院へ電話する。「今日来られるようでしたら診ますよ」というので、よたよたと電車に乗って向かった。

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 主治医のT先生ではなくて、若い先生の部屋に通された。昔、ジャニーズだったような雰囲気。喋ろうとすると咳こむ。声を絞り出してやっと説明した。「とりあえず、痛み止めと咳止めの薬をやめて、明日かかりつけの皮膚科の先生に診てもらってね」とにっこり言われて帰る。そんなのさっきの電話で言ってくれ...と思わずにはいられなかった。

 翌日、いつもの皮膚科へ行き、3時間待って診てもらった。先生が「おお、手術どうだった?ん?ああ、こりゃ薬疹だ。何飲んだ?どっちかというと痛み止めの薬があやしいな」その場で錠剤1錠と水をもらって飲んだ。「5日分出すから、それ飲めば治るよ」「ありがとうございます。先生、あと...指の炎症で、近所のお医者さんにこんな紫の薬もらったんですけど...」「なんだこりゃ。まだこんな薬出してるとこあるんだ?」「はあ...」「違うの出す?」「おねがいします」

 看護師さんがくすりを2種類塗ってくれて、ガーゼの上から包帯をぐるぐる巻いた。「え?なんだかずいぶん大げさだな...」

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 翌日、胃が痛くなり、市販のガスター10を飲んだ。いつもなら、飲めばすぐ痛みは引くのに、なかなか良くならない。次の日も胃が痛い。ガスター10は8時間あいだを空けて服用しなくちゃならない。8時間我慢するのがしんどい。ううう。

 胃は痛いし、咳き込む。傷も痛むし、手術の影響で胸の奥に板が一枚入ってるような違和感。そこへ来て、五十肩、指はぐるぐる包帯巻き。さらに追い打ちをかけるような猛暑日。もう寝ていられない。取り寄せた安いマヌカハニーをなめる。その一瞬だけ胃の痛みが薄らぐ。しかし、また胃が痛い。水を飲む。一瞬おさまる。またすぐに胃が痛む。暑い。しんどい。暑い。しんどい。夜が長い!!

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  そんなことを3日間ぐらい繰り返し、術後の診察、外来予約日が来た。無事行かれるだろうか...。ほとんど何も食べられず、お腹がぺったんこだ。日傘を握りしめて出かけた。

 T先生の診察室の表示は「混雑中」2時間待ってやっと呼ばれる。傷口より何より「胃が痛いのが一番しんどい」と訴える。先生が「皮膚科で処方された薬で胃をやられたんでしょう。もっと強い胃薬出しましょう」とタケキャブを処方してくれた。「先生、わたし、入院してたときのほうが元気でした」と言ったら、先生は困ったようにクスッと笑った。

 その後もタケキャブを飲んでるのに、症状がちっとも改善しない。

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 なんとか仕事部屋へ行くが、西日の当たる部屋は夕方になるにつれ、ますます暑さが増していく。今年の暑さは耐えられない...。みんなもそうだろうけど。

 

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 電話に出ると咳き込む。声がちゃんと出ない。自分の名前も何言ってるかわからない。椅子に座っているのがつらくて床に横たわる。気づくと寝ている。ダメだ仕事にならない。帰ろう。

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 家へ帰る。バタリと寝てしまう。お粥を食べる。胃がしんどい。痛いのが治らない。また横になる。起き上がっている時間は何時間もない。

 何日も続くので、近所のいつものクリニックへ行く。また胃カメラを飲むことになった。3ヶ月のあいだに2回も胃カメラとは...。

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 麻酔が効いて、またゴーゴー寝てしまった。しかし、いつもと違うのはお腹が痛くて自発的に目が覚めたことだ。いててて。看護師さんを呼んで「お、お腹が痛いです...」と訴える。トイレに行くよう言われて行くがなにも出ない。いててて。

 とりあえずそのまま、先生の診察へ。「胃はとてもきれい!だから薬は出せないね」「はあ...でも、じゃあなんで痛いの治らないんでしょう」「うーん...」「というか、先生なんだかお腹が痛くて...」「う〜ん...」

 もう、なにがなんだかわからん。。

 とにかく、お粥生活だ。柔らかいものだけ食べて養生だ。力が出ないけど仕方ない。

 そんなこんなで7月は終わっていった。

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 8月。よっこいしょと気合を入れたら、なんとか動けるようになってきた。ごはんもだんだん普通のものが食べられるように。咳も減ってきた。ああ、復活?やっと復活できた?

 はあ〜ご心配をおかけしましたが、もう大丈夫そうです。お見舞いの品や言葉をくださったみなさんありがとうございます。支えになりました。しかし、これっぽっちの手術でこんなヘロヘロになって、この先どうするんだ。鍛えないとなー。

 

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 と、言って終わりたかったのに、五十肩が悪化してきて、夜痛くて寝てられません。痛み改善の運動はしているけど...。半年から1年すれば治るよって言われましたが、そ、そんなにこの痛みは続くのでしょうか?

 ううう。完全復活の日はいつになるのだろう。のんびり行きますわー。

 こんな長い愚痴にお付き合いくださって、どうもありがとうございました! 

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おわり