花子さん、おばあさんになる

人間年齢100歳の老いねこ日記

ねこ俳句 その2

 

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 (前回からのつづき)

 春に俳句入門したわたしは、初夏にはやっこら俳句らしきものがつくれるようになってきた、ような感じだった。そんな折、堀本先生と又吉直樹さんとの共著「芸人と俳人」が出版され、下北沢B&Bで出版記念イベントが行われた。公開句会である。俳句教室の面々とウキウキ出かけた。投句は事前にメール送信してあった。席についてプリントを見ながらみなさんの句を選句する。やがて拍手の中、堀本さんと又吉さんが登場。「わ〜、又吉だ〜、こんな近くで…」と気分高揚。ご両人がよいと思った句を選句して披露していき、堀本さんがわたしの句を佳作のひとつに選んだ。(もちろん無記名ですよ)

 

        手づくりのちいさな虹をまたぐ猫

 

 きゃー。先生が選んでくれたのはもちろんうれしいけれど、「この句はどうですか?」と振られた又吉さんが「ぼくもこの句、ええとおもいました。めっちゃかわいいです。なんか、CMっぽい爽やかさがありますね。俳句にはないような」と言ってくれたのが、とてもうれしかった。うれしすぎて「どなたの句ですか?」と聞かれて、挙手しながら身もだえたくらい。(後ろの席にいた友人が、うしろ姿だけでデレデレなのがわかったそうである)舞い上がったわたしは、早速その場で「火花」を買いもとめ、サインの列に並んだ。又吉さんが、芥川賞を受賞する二日前の出来事でした。(自慢その1)

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  その「芸人と俳人」の出版をきっかけに「夜の秘密結社」というメルマガが配信され、おふたりが選者となる投句コーナーがあった。又吉さん主宰の「笑う575」は笑える一句を募集。あるときのお題は「缶」だった。季語はあってもなくてもよいとのこと。いくつか考えて投句する。すると、佳作に選ばれてしまいました。きゃー。(自慢その2)

 

        桃缶のぱかんの音に猫走る

 

  またもや、ねこの俳句でございます。又吉さんの選評は『桃缶のぱかんという音が鮮やかです。猫の動きがかわいいです』だった。「かわいい、って」「かわいい、って」と、ひとりパソコンの前で身をよじる。なんだかね、自分のことを言われたみたいに錯覚してしまうのですよ。

 でも実は、わたしが「佳作」で浮かれていたどちらのときも、「特選」は同じ俳句教室の仲間だったので、山はまだまだ高いのですが、初心者は浮かれてしまうのですねえ。小さな自慢、お許しくださいませ。

  

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  ところで、ねこ俳句といえば、尊敬するイラストレーターの大先輩、南伸坊さんのこの二冊です。ねこの俳句と言っても、こちらはねこが俳句を詠む「ねこはい」です。しんぼうさんがねこになりきっておられるのです。なんともかわいらしいねこたちは、のどか、のんき、のほほんと俳句を詠み、遊び、眠り、もの思うのであります。クスリと笑わせられる俳句ですよ。

 

花子さん的ねこ俳句↓

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 ということで、花子さんの近況はお休みして寄りみちしてしまいました。花子は黄金週間も元気に居眠りしております。フェロモンスプレーもちゃんと効いてます。

 

 

速報!つめ切り戦争終わる

 つめ切り補助具(猫専用丸穴付きマスク)『もふもふマスク』をついに購入!寝ていた花子を起こしてすばやく装着。ううう〜とずっと唸っていたけれど、泣き叫ぶことも噛みつくことも出来ず(ま、口が開けないんですけどね)、つめ切りは無事成功!これをもって、わたしと花子のつめ切り戦争は終わりを告げることとなりました。めでたし、めでたし。アメリカと北朝鮮も平和におねがいしますよー。

 

装着前↓(寝てる)

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装着後↓(ビビってベロが丸まる)

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 作戦は成功したけれど、やっぱりこの姿は痛々しいなあ。

 

 

 

ねこ俳句 その1

 

 『俳句、短歌、川柳とともに味わう猫の国語辞典』なるものを買いました。ねこが詠まれた句などを2400も集めた辞典。パラパラめくると、大昔から皆さん結構ねこにやられてます。わたしがねこの俳句をつくってしまうのも仕方ないことだな。

そんなわたくしの最近のねこ俳句はこちら↓

 

 春の闇ねこに耳打ちするをんな

 

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 俳句はムズカシイ。俳句年齢にはまだ早い。そうおもって敬遠していたわたしが突然、俳句入門したのは2015年の春。横浜のBUKATSUDOなるおしゃれなシェアスペースで俳句の教室がはじまると、インターネットの記事で目にしたのだ。お試し体験があったので出かける。講師の俳人は堀本裕樹さん。配られたプリントに「上の句」が空欄になった俳句があった。おもいついた季語を入れて、句を完成させるあそびらしい。どれどれと入れてみたらおもしろい句になった。「毒りんごぶつけてみたき男かな」堀本さんが笑って「すごいですね、毒りんご。これは?」とたずねる。「食べたら殺してしまうけれど、ぶつけるだけなら殺さずに済むとおもって」と答えた。毒がついてもりんごなら季語になるとおもっていたアホです。

  俳句にはすこし縁があって、俳句に絵をつける仕事をいくつかやらせてもらったことがある。けれど、句と絵の距離をつかむのにずいぶん苦労した。イラストレーター有志の勉強会で句会をやったこともあったけれど、どう鑑賞していいのかさっぱりわからなかった。俳句のセンスなし…。そんなわたしだけれど、この堀本裕樹さんという若くて爽やかな先生の「俳句のいろは教室」なら、一から始められそうだとおもった。(あ、先生目当てじゃないですよー)今年は何か始めたいなと思っていたときに、新聞で103歳の俳人、金原まさ子さんの記事を読んだのも後押しになったのかもしれない。いざ、俳句の世界へ。

 

2015年1月19日の読売新聞 ↓

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 まさ子さんは49歳で俳句を始めて103歳で「現代俳句協会賞特別賞」を受賞された。すばらしい。受賞もすばらしいけれど、のめりこめるものを見つけ、それを長く続けていることがすばらしい。つくられる俳句の独特な世界は年齢など遥かに超えており、エッセイもゆかいですばらしい。103歳(現在は105歳?)までお元気なのも大変すばらしい。

 二年前のわたしは「うっかり長生きしちゃったらどうしよう。何をしよう」と、長生きを恐怖に思っている47歳で、何か趣味があると楽かなあとぼんやり物思いに耽っておりました。なるべくなら、人と付き合いがあって出かけたりするものがいいな、と。

 ま、そんなこんなで俳句をはじめてみたわけです。寿命のことはわからないけれど、まさ子さんを目標にしてみてもいいかもしれない。ゆかいに生きられそうだもの。

 

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つづく

 

※花子さんのことを全然書いてない俳句ブログになってしまいました。花子ファン(?)の方すみません。もう少し続きまーす。

 

 

 

つめ切り戦争

 花子さんの写真を撮るのは難しい。お見せできない、お見せしたくない、そんなものばかりが写り込むからだ。生活感が様になる景色というのがある。むしろ、そういう写真のほうがわたしは好きなのだけど、我が家は、なんていうのかな、中途半端に片付いていて、中途半端に散らかっているのだな。そして、その背景の責任者がわたしではないという環境のため、色々ためらわれるのです。そんなときに役立つのが絵ですねえ。

 

「つめを切られて流血のネコの絵?」

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 個展でこの絵を見たひとがそう聞いた。つめから流血・・。

 そんなつもりなかったんだけど、まあ、それでもいいっか、な。

                

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 さて、今回は花子さんとの「つめ切り戦争」について。長年、まあまあ平和だった我々の「つめ切り時間」に暗い影がさしだしたのは、ここ半年くらいだろうか。現在は、事態収拾の難しい段階に来ており、衝突は避けられない状況。わたしの負傷も軽度から重度へ進む可能性だってある。花子はおばあさんになるにつれ気が強くなり、凶暴性が増した。でも突然というより、それは元々の性格の一部が色濃くなってきたという感じ。人間もそうですよね。で、つめを切ろうとするとどうなるのか、絵にするとこんな感じです。

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  怖いでしょう。怖いんですよ。本気で噛みつきます。ギャアア!!!って叫びながら。こっちも予想しているとはいえ驚きますからね、同じ声でギャアア!!!って叫んじゃいます。頑丈な革の手袋でもはめればいいのでしょうが・・持ってません。

  ぼんやりしているときなど狙って膝に乗せ、さて切ろうすると「うううう」と唸りだす。一本切った辺りで「がるるる」と唸られ、二本目で「ニャア!」と怒られ、三本目で噛みつかれる、という感じでしょうか。両手完了するには2、3日かかりますね。花子さんもストレスだろうけど、こっちだってストレスだ。

 そんな困ったときにはネット検索。

 おおお、苦労している話&解決法がいくつもあるではないか。まずは、一番お金がかからずにすぐ出来る方法に挑戦。それは洗濯ネットにネコを入れてファスナーをちょっと開け、手だけ出してつめを切るという方法だ。早速、眠そうな花子を洗濯ネットに入れる。あら、案外簡単。左手だけ出して、つめを切る。ニャア!!ンギャア!!!「ネコは洗濯ネットにいれると大人しくなります」って何人ものひとのブログに書いてあったのに、花子は…。

  もうひとつ、気になる解決策があるのだけど、お値段がやや高いのと、見た目に気持ちが引いてしまって購買意欲がわかないのです。作れそうな気もするし…。

 これなんですが、どうおもいます?↓

 

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 名前はキュートだけれど、覆面レスラーか、ゲートに入りたがらない競走馬か、KKKか、ISか、とにかく不穏な感じしかない。でも、楽々つめ切り出来るなら買ってみたいという気持ちを捨てきれない。どうしようかな。楽天のサイトを見ては迷っております。

 

 

 

 

首巻き大作戦のその後

 よく吟味せずにブログをはじめたのですが、このHatena Blogには、同じHatena Blogのユーザーが「面白いね、がんばってるね」と☆をつけて励ますという仕組みがあり、ここのところその☆をつけてくださる方がけっこういらして驚いています。ありがたや〜ありがたや〜。念仏のようにつぶやいておりますよ。

 

 さて、前回のつづき。

 わたしが考えた首巻き大作戦、当初あまり乗り気じゃなかった母が、効果を認めたらしく、100均でちりめんのはぎれを買ってきて、かわいらしくアレンジしていた。なんだか、雅なおばあさんネコになってます。

(もっといい写真を撮りたかったが、花冷えの昨今、ここ↓から動かない)

 

 

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 で、今のところ順調です。作戦は成功しています!夜中に「メシクレ!」というときも、鳴かずに皿を皿にぶつけてアピールしています。(って、それも困るんだけど・・)ひとまず激しい夜鳴き地獄からは解放された。でも、ネコってねえ、飽きっぽくてねえ、このあいだまで大好きだったエサがねえ、とつぜん嫌いになったりするのでねえ、油断は出来ません。今は、駄々をこねるこどもに飴玉をなめさせて黙らせている状況ですからね。

 

そんなこんなで、まったり、うっとりのお姿↓

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こんな状態のときに、つめを切ろうと思うのですが難儀しております。

(噛みつくのでたいへん!!)

次回はつめ切りの悩みをお伝えしたいとおもっております。

 

 

 

 

痛い頭は使うにかぎる

 おととい、恐れていたことが起きた。寝しなの深夜12時に花子さんの鳴き声が…。それは脱ぷんを知らせる雄叫びだった。この時間にするということは、昼夜逆転しているのかもー。残念なことにそれは的中し、夜中2時過ぎに徘徊と遠吠え。そして、まだ暗い午前4時過ぎ、5時半…と徘徊しては大声で鳴く花子。なんてこった、魔法のスプレーの威力はもうないのか?まだ消費期限切れの最初の1本を使っているところなのに。追加購入の2本はどうなるの。

 

 頭がガンガンするという母のクレームに、さて困ったな…と頭をかかえるわたし。わたしの頭もうっすら痛い。タオルハンカチ作戦は撤退なのか?昔のテレビドラマの誘拐シーンでは、いつもクロロホルムを嗅がせていたけれど、あれ、ホントは効かないそうですね…。なんて、そんな後ろ向きな考えになってはダメだ。何か考えねば…うーむ。

 とりあえずは、都合3本ある魔法のスプレーを無駄にしたくはない。タオルハンカチを花子が肌身離さず持てば、徘徊して鳴いたとしても、大鳴きしないのではないだろうか?厚みのあるタオルハンカチを、普通のハンカチに変えてバンダナ風に首に巻くのはどうだろう。でも、花子さんは首回りに敏感だからなあ、もうちょっと細いのがいいかもなあ。

  タンスの中を漁ってみると、着なくなったワンピースのヒモがあった。太すぎず、細すぎず、これはいい太さかもしれない。シュッシュッシュッとスプレーをして乾燥させ、寝てる花子の首に素早く巻く。パチッと目を開け、鼻をひくひくさせ、匂いの元を探している。そして、どうやら首だと気づいたもよう。やばい。激しく抵抗したら取らなくてはと、じっと観察していると、あら、なんかいい感じにうっとりしているではないか。

 首巻き作戦成功か?祈るきもちで床に就く。翌朝、遠吠えはなかった。作戦成功〜!

 痛い頭をつかって考えてよかったー。って、これから作戦実行の二晩目を寝るところですが、効果が1日だけだったらどうしよう…

 

つづく

 

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魔法はとける?

 「魔法のくすり」のその後の報告を、待ちわびているひとがいるかもしれない(いないか)。そう思うと、重い腰を上げてブログを更新せねばなるまい(恩着せがましい)。そんな妙な使命感でパソコンの前にいます(ただ、ぼんやりと)。

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 前回のブログを読んでくれた知り合いが『コンセントに差すタイプ、我が家の若猫の方にはぜんっぜん効かなかったです〜笑』と教えてくれた。えっ、そうなんだ、効かないんだ…。もしかして、このスプレーの魔法はとけてしまうのか?

『若い子には効かないのかも。。「?フェロモンってなによ!」みたいな顔してましたよ、うちのお嬢さんは』そうか〜若い子には効かないんだ。でも、お年を召したお嬢さんには効くかも、だよね?一縷の望みをかけて、せっせとタオルハンカチにスプレーする日々。

 で、どうなのよその後、ですが、まだ効果あります。でも、明け方に大きい声で鳴くことがちょいちょい出てきました。前よりは全然おとなしいけれど。昼間、雄叫びをあげだしたら、タオルハンカチを頭からかぶせて匂いを強引に嗅がせます。すると、おとなしくなります。その様子は、拉致しようとしている北のほうの悪い人間に見えるかもしれないけれど、興奮しているから仕方ないのでございます(ゆるして花子さん)。

 ということで、魔法がとけそうでとけないので、えいやっ!と、スプレー2本注文してしまいました(結構なお値段)。あ、わたくし別にここのメーカーの広告塔でもなんでもないです(ブログの世界にはそういうのあるみたいだけど)。知り合いのおうちのお嬢さんにはまったく効果がなかったというから、よそのネコさんに効く保証もありませんです。

 うちの花子ばあさんはフェロモンに飢えていた?弱い?という実験結果が出ていることだけお伝えして、本日は失礼しまーす。